MCIと診断されたら何をする? ~認知症への進行を防ぐために本人と家族ができること~

認知症について
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※この記事は、認知症グループホームで10年以上勤務し、現在は管理者として働く筆者が執筆しています。

ご本人・ご家族・介護職員、それぞれの立場をふまえたケアの視点をお届けします。

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📝 この記事の要約

【この記事で伝えたいこと】

MCIと診断されても、すぐに生活を大きく変えたり「認知症にならないため」に無理を重ねたりする必要はありません。
この記事では“今できていることを続けながら、これからの生活を少しずつ整えていく”という視点から、運動・食事・健康管理・社会参加・家族の関わり方・将来への備えなど、MCIと診断されたあとにできることを解説します。


【要点】

  1. MCIと診断されても、必ず認知症になるわけではない
    MCIの基本的な位置づけを理解し「認知症にならないように」と思い詰めすぎず、今の状態からできることを考える大切さを解説します。
  2. 認知機能を守るために、今からできることが分かる
    運動・食事・生活習慣病の管理・認知活動・社会参加など、特定の方法だけに頼らず、生活全体を整えていくための具体的な取り組みを紹介します。
  3. 「できること」を奪わず、これからの生活を整える視点が分かる
    家族が先回りして何でも代わるのではなく、料理や買い物、趣味など今できていることを続けることの大切さと、運転・受診・将来への備えなど、本人らしい生活を守りながら支える考え方を解説します。

【この記事で分かること】

・MCIと診断されたあと、本人と家族がまず考えたいこと
・運動・食事・健康管理・社会参加など、認知機能を守るためにできること
・今の生活を奪わず、本人の「できること」を続けるための家族の関わり方

「認知症にならないため」だけに生活を変えるのではなく、今できていることを続けながら、これからの生活を少しずつ整えていくための考え方と具体的な取り組みが分かる内容です。

※詳しい説明・根拠・事例は、このあと本文でやさしく解説します。

はじめに

「検査の結果、MCIですね」

医師からそう言われたら、本人も家族も戸惑うのではないでしょうか。

MCIとは「軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment)」のことで、認知機能に低下がみられるものの、日常生活には大きな支障がなく、認知症とは診断されない状態をいいます。

「認知症ではないなら安心なの?」

「これから認知症になるということ?」

「すぐに何かした方がいいの?」

さまざまな疑問が出てくると思います。

MCIと診断されたからといって、すぐに生活を大きく変える必要はありません。

「認知症にならないように」と、思い詰める必要はありませんが、
「まだ認知症ではないから大丈夫」と、何もしなくてもいいというわけでもありません。

今できていることを続けながら、これからの生活を少しずつ整えていく。
それが、MCIと向き合ううえで大切な考え方です。

そして、ここで気をつけたいことがあります。

認知症への進行を心配するあまり「今までと同じ生活を続けるのは危ないのではないか」と考え

本人から家事を取り上げたり、外出を控えさせたり、家族が何でも代わりに行ったりしてしまえば、
かえって活動する機会を減らしてしまうことがあります。

MCIと診断されたからといって、急に「認知症にならないための生活」へ変える必要はありません。

むしろ大切なのは、

今までの生活をできるだけ続けながら、身体と脳の健康を整え、少しだけ将来への備えを始めること。

この記事では、MCIと診断されたあとに本人と家族が何を考え、
どのようなことから始めればよいのかを考えていきます。

MCIと診断されても、必ず認知症になるわけではない

まず知っておきたいのは、

MCI=将来必ず認知症になる

という意味ではないことです。

MCIは、正常な認知機能と認知症の中間に位置すると考えられる状態です。

もの忘れなどの認知機能低下がみられても、買い物をする、食事を作る、身の回りのことをするなど、日常生活はおおむね自立していることが特徴です。

MCIから認知症へ移行する人がいる一方、その状態を維持する人や、認知機能が改善する人もいます。

そのため、

「もう認知症になるのだから仕方がない」

と諦める必要もなければ、

「何としても認知症にさせてはいけない」

と本人や家族が追い詰められる必要もありません。

大切なのは、今の状態を知ったうえで、これからできることを一つずつ考えていくことです。

MCIと診断されたら――「生活を奪わない」ことも大切

MCIと分かった家族が心配するのは当然です。

「火を使わせない方がいいのでは?」

「一人で買い物へ行かせない方がいいのでは?」

「お金の管理も家族がした方がいいのでは?」

本人を守ろうと考えるほど、家族が先回りしてしまうことがあります。

もちろん、実際に危険が生じていることについては対策が必要です。

しかし、

「MCIと診断された」という理由だけで、それまで本人が行ってきたことを一気に取り上げる必要はありません。

例えば、毎日料理をしていた人から料理を取り上げれば、

  • 献立を考える
  • 冷蔵庫の中身を確認する
  • 足りないものを考える
  • 買い物へ行く
  • 食材を選ぶ
  • 手順を考えて調理する
  • 盛り付ける
  • 家族と食べる

といった、たくさんの活動や刺激、生活の楽しみなどが、一度に失われます。

買い物も同じです。

外へ出て歩き、商品を探し、値段を比べ、店員と話し、お金を支払う。

私たちが何気なく行っている日常生活には、身体と脳を使う場面がたくさんあります。

だからこそ、

「危ないからやめてもらう」ではなく、
「どうすれば続けられるか」を考える。

これはMCIの段階では特に大切な視点です。

「認知症予防のための生活」にしすぎない

MCIと診断されると、

「毎日脳トレをしましょう」

「運動してください」

「人と交流しましょう」

「食生活を改善しましょう」

など、さまざまな情報が目に入るようになります。

もちろん、これらには全て、大切な意味があります。

しかし、本人が嫌がっているのに、

「認知症になったら困るから」

と毎日計算ドリルをやらせたり、興味のない活動へ無理に参加させたりすることが、本当にその人にとって良い生活なのでしょうか。

「認知症予防」より、今の生活を大切にする

人は、認知機能を保つために生活するのではありません。

自分らしい生活を続けていくために、認知機能を守るのです。

ここは、目的と手段を逆にしないことが大切です。

将棋が好きな人なら将棋を続ける。

庭いじりが好きなら庭へ出る。

料理が好きなら料理をする。

友人とのお茶が楽しみなら、その関係を続ける。

孫と出かけるのが楽しみなら、それも立派な活動です。

「認知症予防」という名前がついていなくても、

私たちの普通の生活には、身体を動かし、考え、人と関わる機会がたくさん含まれています。

特別なことを始めるだけでなく、今ある生活を失わないこと。

それもMCIの段階でできる大切な取り組みです。

運動する――でも「運動だけ」では考えない

身体を動かすことは、認知機能を考えるうえでも重要です。

国立長寿医療研究センターを中心に行われたJ-MINT研究では、MCIをもつ高齢者を対象として、

  • 生活習慣病の管理
  • 運動
  • 栄養
  • 認知トレーニング

などを組み合わせた「多因子介入」が研究されています。

つまり現在の認知症リスク低減については、

「これ一つをやればいい」というより、生活全体を整える

という考え方が重要になっています。

運動についても、

「毎日○km歩かなければならない」

と難しく考える必要はありません。

散歩する。

買い物へ歩いて行く。

庭仕事をする。

家事をする。

地域の体操教室へ参加する。

こうした活動も身体を動かす機会になります。

大切なのは、一時的に頑張ることよりも、本人が無理なく続けられる方法を見つけることです。

高血圧・糖尿病・脂質異常症などの管理も大切

MCIというと「脳」の問題だけに目が向きがちですが、身体の健康状態も無関係ではありません。

高血圧や糖尿病、脂質異常症などの血管リスクを適切に管理することも重要です。

J-MINT研究でも、血圧や血糖などのコントロールが十分でない人では、多因子介入によって認知機能低下を抑えられる可能性が報告されています。

そのためMCIと診断されたら、

「何か特別なサプリメントを飲んだ方がいいのでは?」

と考える前に、

今ある病気をきちんと管理できているか

を確認してみることも大切です。

薬を自己判断で中断していないか。

定期受診ができているか。

血圧はどうか。

血糖値はどうか。

食生活は大きく乱れていないか。

こうした一見「認知症とは別のこと」に見える健康管理も、

将来の認知機能を考えるうえでは大切な取り組みになります。

食事は「認知症に効く食品」を探すより、全体を見る

「認知症予防には何を食べればいいですか?」

という疑問を持つ方もいるでしょう。

しかし、

「これを食べれば認知症にならない」

という特別な食品を探すよりも、まずは食生活全体を見直すことが大切です。

主食だけに偏っていないか。

肉や魚、卵、大豆製品などのたんぱく質は摂れているか。

野菜や果物はどうか。

食事量そのものが減っていないか。

反対に、間食や甘い飲み物が増えていないか。

そして高齢者の場合には、
「食べすぎ」だけでなく低栄養にも注意が必要です。

「認知症予防のために食事制限をしよう」と考えすぎて、必要な栄養まで不足してしまっては本末転倒です。

食事は栄養を摂るだけのものでもありません。

作る楽しみ。

選ぶ楽しみ。

誰かと一緒に食べる楽しみ。

「おいしい」と感じること。

MCIと診断をされたからといってそれらを二の次にするのではなく、

そうした『生活を彩るための食事』『楽しみとしての食事』も大切にしたいところです。

脳トレより「頭を使う生活」を考える

計算問題やパズルなどの認知トレーニングを否定する必要はありません。

本人が楽しんでいるのであれば、続けてよいでしょう。

ただ、

脳トレ=計算ドリル

だけではありません。

例えば「今日の夕飯は何にしよう」と考えること。

または、

スーパーで商品を選ぶ。

旅行の予定を立てる。

新聞を読む。

将棋や囲碁をする。

スマートフォンを使う。

友人と会話する。

料理をする。

これらも全て、頭を使う活動です。

特に、本人が興味を持って自発的に行う活動には、
「考える」だけでなく、楽しみや達成感、人との交流など、さまざまなプラスの要素があります。

「認知症にならないように、これをやって」

と家族から渡された計算問題より、

「今度どこへ行こうか」

と一緒に旅行を考える方が、その人にとってずっと楽しいかもしれません。

大切なのは、脳を鍛えることだけではなく、脳を使いたくなる生活を残すことではないでしょうか。

人とのつながりを失わない

MCIでは、本人自身が、自分の変化や違和感に気づいていることがあります。

「人の名前が出てこない」

「話についていけない」

「間違えたら恥ずかしい」

そんな経験が重なることで、人と会うことを避けるようになる場合があります。

家族も、

「一人で出かけさせるのは心配だから」

と外出を減らしてしまうことがあります。

しかし、それによって社会との接点まで減ってしまえば、本人の活動量も減っていきます。

WHOが2026年に公表した認知機能低下・認知症リスク低減のガイドラインでも、身体活動、健康的な食生活、生活習慣病の管理などとともに、認知刺激や社会活動などが取り上げられています。

だからといって、知らない人が集まる場所へ無理に参加させる必要はありません。

長い付き合いの友人と話す。

近所の人と挨拶する。

家族と買い物へ行く。

趣味の集まりへ参加する。

本人に合った形で、人との関係を残していくことが大切です。

聞こえにくさや見えにくさも放置しない

意外と見落とされやすいのが、聴力や視力です。

耳が聞こえにくくなると、

「話しかけられても分からない」

「会話についていけない」

という経験が増えていきます。

すると人との会話そのものを避けるようになり、社会とのつながりが減ってしまうこともあります。

「高齢だから耳が遠いのは仕方がない」

だけで終わらせず、必要に応じて耳鼻科などへの相談や補聴器について検討することも選択肢です。

MCIへの対応というと「脳に何をするか」を考えがちですが、

脳が働きやすい環境を整える

という視点も持っておきたいところです。

家族は「できなくなったこと」だけを探さない

MCIと診断されると、家族の見方が変わってしまうことがあります。

昨日までなら、

「最近ちょっと忘れっぽいな」

で済んでいたことが、

診断された翌日から、

「ほら、やっぱりMCIだから」

に変わってしまう。

しかし、人は誰でも忘れます。

間違えます。

疲れていれば判断を誤ることもあります。

一つひとつの失敗をすべてMCIと結びつけてしまうと、本人にとっても大きなプレッシャーになります。

大切なのは、

「何ができなくなったか」

だけを見るのではなく、

「今、何ができているか」

を見ることです。

一人で買い物へ行ける。

料理ができる。

薬を管理できる。

友人と出かけられる。

スマートフォンを使える。

それなら、その力はできるだけ使い続けてもらう。

周囲は、必要になった部分だけを支える。

これは、MCIの段階だけでなく、その後に認知症になった場合にも大切な考え方です。

一方で「変化」は記録しておく

生活を奪わないことと、変化から目を逸らすことは違います。

家族だからこそ気づける変化もあります。

例えば、

  • 同じものを何度も買うようになった
  • 支払いの間違いが増えた
  • 薬の飲み忘れが増えた
  • 約束を忘れることが増えた
  • 道に迷うことが出てきた
  • 料理の手順が分からなくなることが増えた
  • 身だしなみへの関心が大きく低下した
  • 怒りっぽさなど、以前と違う変化が目立つ

などです。

こうした変化があれば、簡単に記録しておくと再受診の際にも役立ちます。

「最近おかしくなりました」

だけではなく、

「3か月ほど前から薬の飲み忘れが週に何回かあります」

と具体的に伝えられれば、医師も状況を把握しやすくなります。

そしてMCIと診断されたからといって、一度受診して終わりにするのではなく、医師から指示された時期に定期的な評価を受けることも大切です。

運転は「MCIだから即やめる」とも「まだ認知症ではないから大丈夫」とも考えない

車が生活に欠かせない地域では、MCIと運転の問題は非常に大きなテーマです。

特に地方では、

「運転をやめる」

ことが、

「買い物へ行けなくなる」

「病院へ行けなくなる」

「友人に会えなくなる」

「社会とのつながりが減る」

ことにつながる場合があります。

そのため、

「危ないから今日から運転禁止」

だけでは解決しないことがあります。

一方で、

「まだ認知症ではないから大丈夫」

とも言い切れません。

事故や違反が増えた、道に迷う、車をぶつけることが増えた、判断が遅くなったなどの変化があれば、本人と家族だけで抱え込まず、医師や安全運転相談窓口などへ相談することも大切です。

そして運転について話し合うのであれば、

「運転をやめるか」だけではなく、
「運転しなくても今の生活を続けるにはどうすればよいか」

まで一緒に考える必要があります。

家族の送迎、公共交通、タクシー、自治体の移動支援、宅配サービスなど、地域によって利用できる手段は異なります。

免許返納そのものをゴールにするのではなく、その後の生活まで考えることで、

なるべく少ない影響で、本人らしい生活が続けられるように支援していくことも大切です。

お金や将来のことも「まだ元気な今」だから話せる

MCIの段階でもう一つ考えておきたいのが、将来についてです。

これは、

「認知症になる前に全部決めてしまいましょう」

という意味ではありません。

むしろ、

本人自身が希望を伝えられる今だからこそ、少しずつ話しておく

ということです。

例えば、

「これからも自宅で暮らしたい?」

「もし一人暮らしが難しくなったらどうしたい?」

「お金の管理で困ったときは誰に頼みたい?」

「どんな生活だけは続けたい?」

こうした話を、いきなり家族会議として重々しく行う必要はありません。

普段の会話の中で少しずつ聞いておくだけでも違います。

認知症が進行してから、

「本人ならどう考えただろう」

と家族が悩むことは少なくありません。

本人が考え、選び、伝えられる段階だからこそ、その意思を大切にできます。

これは将来の財産管理だけでなく、医療や介護、生活の場所、人生の最終段階について考えるACP(アドバンス・ケア・プランニング)にもつながっていく考え方です。

困っていなくても「相談先」を知っておく

MCIの段階では、

「まだ介護が必要な状態ではないし、どこへ相談すればいいの?」

と思う方もいるでしょう。

だからこそ、困り切ってから探すのではなく、早い段階で地域の相談先を知っておくと安心です。

代表的な窓口としては、

  • かかりつけ医
  • もの忘れ外来
  • 認知症疾患医療センター
  • 地域包括支援センター
  • 自治体の高齢者・認知症相談窓口

などがあります。

地域包括支援センターは、すでに要介護状態になった人だけが利用する場所ではありません。

介護、医療、生活、権利擁護など、高齢者の暮らしについて幅広く相談できる地域の窓口です。

「今は困っていないから相談しない」

ではなく、

「困ったときにどこへ相談すればいいか知っている」

という状態を作っておくことも、立派な備えです。

家族は「全部やってあげる」前にできることを考える

ここまでをまとめると、家族が注意したいのは「心配だからこその先回り」です。

本人のためを思って、

「危ないから料理しなくていいよ」

「忘れるから私が全部やるよ」

「外出すると心配だから家にいて」

「認知症にならないように毎日これをやって」

と生活を変えてしまう。

そこには悪意などありません。

むしろ、本人を大切に思うからこその行動でしょう。

しかし支援が早すぎると、本人が自分で考え、自分で動き、自分で決める機会まで奪ってしまうことがあります。

だから、

全部任せる。

全部取り上げる。

この二択ではありません。

例えば薬を忘れるのであれば、

「家族が全部管理する」

の前に、

薬箱を使ってみる。

カレンダーを使う。

スマートフォンのアラームを使う。

家族が確認だけする。

といった方法もあります。

できないから代わるのではなく、

どうすれば自分で続けられるかを一緒に考える。

この視点は、その人の自立や尊厳を守るうえでも、とても大切です。

「認知症にならないための人生」にしない

MCIと診断されたとき、

「認知症になりたくない」

と思うのは自然なことです。

家族も、

「何とか進行を防いであげたい」

と思うでしょう。

そして、運動、食事、生活習慣病の管理、認知活動、社会参加など、今からできることはあります。

しかし、忘れてほしくないことがあります。

認知症を予防することだけが人生の目的ではありません。

好きなものを食べる。

友人と笑う。

孫と出かける。

自分で買い物をする。

料理をする。

旅行へ行く。

庭の手入れをする。

仕事を続ける。

誰かに頼られる。

そうした「その人らしい生活」を続けるために、健康があります。

「何を始めるか」より「何を続けたいか」

だからMCIと診断されたときに考えてほしいのは、

「認知症にならないために、何を始めるか」

だけではありません。

「これからも続けたい生活は何か」

を考えてみてください。

その生活を長く続けるために、

少し運動する。

持病をきちんと治療する。

食生活を整える。

人とのつながりを保つ。

必要なら医療機関へ相談する。

家族と少し将来について話しておく。

それくらいから始めてもよいのではないでしょうか。

まとめ|MCIは「できなくなるのを待つ期間」ではない

MCIと診断されると、どうしても「これから認知症になるのか」という未来に目が向いてしまいます。

しかしMCIの段階だからこそ、できることがあります。

今の生活を続ける。

身体を動かす。

食事を楽しむ。

持病を管理する。

頭を使う。

人と関わる。

変化があれば医師へ相談する。

そして、自分がこれからどう暮らしたいのかを考える。

MCIは「認知症になるまでの待ち時間」ではありません。

本人が自分で考え、選び、できることを続けながら、これからの生活を整えていくことのできる大切な時間です。

家族も「何をしてあげればいいのか」と考えるだけでなく、

「本人が今できていることを、どうすればこれからも続けられるだろう」

という視点を持ってみてください。

認知症にならないためだけに生活を変えるのではなく、

今の生活を大切にすることが、結果として認知機能を守ることにもつながっていく。

MCIと診断されたときには、そんなところから始めてみてはいかがでしょうか。

参考文献・出典

この記事のMCI(軽度認知障害)、認知機能低下の予防、生活習慣、社会参加、相談支援等に関する記述については、以下の公的機関・研究機関の資料を参考にしています。

  1. 国立長寿医療研究センター「あたまとからだを元気にする MCIハンドブック」
    ― MCIの基本的な考え方、認知症との違い、運動・食事・生活習慣病・社会参加・認知トレーニング・難聴など、MCIの段階で考えたい生活上の取り組みについて。
  2. 国立長寿医療研究センター「認知症とMCI」
    ― MCIは正常な認知機能と認知症の中間にあたり、日常生活への大きな支障がない場合が多いこと、適切な対応によって認知機能が正常な状態へ戻る可能性もあること等。
  3. 国立長寿医療研究センター「認知症の早期発見・早期介入実証プロジェクト研究 J-DEPP研究」
    ― MCI・認知症の早期発見、早期対応、多因子から認知機能低下のリスクを考えることの重要性等。
  4. 国立長寿医療研究センター「軽度認知障害(MCI)をもつ高齢者に対する多因子介入プログラムの検証(J-MINT研究)」
    ― 運動、栄養、認知トレーニング、血管リスク管理などを組み合わせた多因子介入と、血圧・血糖・脂質管理の重要性について。
  5. 国立長寿医療研究センター「軽度認知障害(MCI)の段階で行う多因子介入(J-MINT)は、将来の認知症関連医療・介護費用を抑え、生活の質も改善する可能性」
    ― MCI高齢者を対象とした運動・栄養・認知トレーニング・血管リスク管理による多因子介入と、長期的なQOL・医療介護費への影響について。
  6. 国立長寿医療研究センター「地域版J-MINTプログラム」
    ― J-MINT研究の成果をもとにした、運動や栄養、認知活動、生活習慣病管理などを組み合わせる認知機能低下予防の取り組みについて。
  7. 厚生労働省「認知機能低下予防・支援マニュアル」
    ― MCIの段階からの認知機能低下予防、運動、運動と認知課題を組み合わせるコグニサイズ、複合的な介入等について。
  8. 厚生労働省「認知症施策における予防の考え方」
    ― 運動不足の改善、高血圧・糖尿病等への対応、社会参加による孤立の解消、役割の保持など、認知症予防に資する可能性のある取り組みについて。
  9. 厚生労働省「認知症施策関連ガイドライン・取組事例(社会参加の支援)」
    ― 本人の意思を尊重しながら、地域での役割や活動、社会参加の機会を維持していくことの重要性について。
  10. 世界保健機関(WHO)「Risk reduction of cognitive decline and dementia: WHO guidelines, second edition」
    ― 身体活動、健康的な食生活、高血圧・糖尿病などの健康管理、社会的孤立を含む修正可能なリスク要因、多領域への介入など、認知機能低下・認知症リスク低減に関する最新の国際的指針。
  11. 国立長寿医療研究センター「MCIハンドブック Q&A:運動と認知機能」
    ― 高齢者の運動習慣と認知機能低下予防、認知機能改善の可能性について。
  12. 国立長寿医療研究センター「MCIハンドブック Q&A:認知トレーニング」
    ― 認知トレーニングと認知機能低下予防、継続して取り組むことの意義について。
  13. 厚生労働省「主な認知症施策について」
    ― 認知症疾患医療センター、認知症初期集中支援チームなど、認知症や認知機能低下について相談できる医療・地域支援体制について。
  14. 厚生労働省「認知症疾患医療センターに関するガイドライン・取組事例」
    ― 認知症疾患医療センターにおける専門医療相談、鑑別診断、診断後の本人・家族支援、地域の関係機関との連携等について。

ここにんでは、認知症介護を”楽にする”ためのヒントとなるような考え方、技術をたくさん発信しています。

詳しくは ➡【はじめての方へ ここにんってどんなブログ?】をご覧ください!

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