※この記事は、認知症グループホームで10年以上勤務し、現在は管理者として働く筆者が執筆しています。
ご本人・ご家族・介護職員、それぞれの立場をふまえたケアの視点をお届けします。
【この記事で伝えたいこと】
ロコモは、筋肉・骨・関節・神経などの「運動器」の障害によって、“立つ・歩く”といった移動する力が低下した状態です。
大切なのは「まだ歩けるから大丈夫」と考えるのではなく、歩幅や立ち上がり、活動量などの小さな変化に気づくこと。そして、転倒を恐れて動く機会を奪うのではなく、今ある力を生活の中で使い続けられるよう支えることです。
この記事では、ロコモの基本やサルコペニア・フレイルとの違い、認知症高齢者だからこそ見ておきたい移動機能の変化と、介護で大切にしたい視点を解説します。
【要点】
- ロコモとは何か、サルコペニア・フレイルとの違いが分かる
筋肉・骨・関節・神経などの運動器と「移動する力」に注目するロコモについて、サルコペニアやフレイルとの違いも含めて分かりやすく整理します。 - 「まだ歩ける」だけでは見逃してしまう、移動機能低下のサインを解説
歩幅が狭くなる、立ち上がりに手を使う、外出が減るなど、日常生活に現れる小さな変化やロコモ度テストを通して、移動機能の低下に早く気づくための視点を紹介します。 - 転倒を防ぎながら「今ある力」を守るための介護の考え方が分かる
転倒を恐れて動く機会を減らすことが、かえって移動機能の低下につながる可能性があります。「動かさない」のではなく、日常生活の中で本人が持っている力を使いながら、安全に動き続けるための介護の視点を解説します。
【この記事で分かること】
・ロコモとは何か、サルコペニア・フレイルとは何が違うのか
・「まだ歩ける」だけでは見逃してしまう、移動機能低下のサイン
・転倒を防ぎながら、今ある「立つ・歩く力」を守るための介護の視点
家族介護・介護職のどちらでも、認知症高齢者の小さな身体変化に気づき「動かさない」のではなく「安全に動き続ける」ための支援を考えられる内容です。
※詳しい説明・根拠・事例は、このあと本文でやさしく解説します。
はじめに
「最近、歩くのが遅くなった」
「立ち上がるときに、テーブルに手をつくようになった」
「以前より外に出たがらなくなった」
「転倒が心配なので、なるべく座っていてもらっている」
高齢者と関わっていると、このような変化を目にすることがあります。
年齢を重ねれば、若い頃と同じように動けなくなるのは自然なことです。
しかし、その変化をすべて「年齢のせい」と考えてしまってよいのでしょうか。
人が立つ、歩く、階段を上るといった動作には、筋肉だけではなく、骨、関節、神経などさまざまな「運動器」が関係しています。
これらの運動器に障害が起こり、立ったり歩いたりするための身体能力=移動機能が低下した状態を「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」といいます。
高齢者介護においてロコモを知ることは、単に「運動不足を防ぐ」という話ではありません。
転倒、骨折、活動量の低下、外出機会の減少、そして要介護状態へとつながる可能性のある変化を、できるだけ早い段階で見つけるための視点でもあります。
そして介護現場ではもう一つ、
「転ばせないために動かさないことが、かえってその人の移動する力を奪っていないか」
ということも考える必要があります。
今回は、ロコモティブシンドロームとは何なのか、そして認知症高齢者の生活を支えるうえで何を見ていけばよいのかを考えていきます。
ロコモ・サルコペニア・フレイルは何が違う?
ここで一度、ロコモと一緒に語られることの多い「サルコペニア」「フレイル」との違いを整理しておきます。
この3つは、どれも高齢者の身体機能や生活機能の低下に関わる言葉ですが、それぞれ何に注目しているのかが少しずつ違います。
違いを曖昧なまま読み進めると「結局どれも同じような話なのでは?」と感じやすいため、まずはそれぞれの主役を簡単に見比べてみましょう。
| 用語 | 簡単にいうと | 記事の主役 | 読者に持ち帰ってほしいこと |
|---|---|---|---|
| ロコモ | 運動器の障害によって移動機能が低下した状態 | 立つ・歩く・移動する力 | 「まだ歩ける」だけでなく、移動能力の変化を見る |
| サルコペニア | 筋肉量・筋力・身体機能が低下した状態 | 筋肉 | 「筋肉の衰えは年齢のせい」で終わらせず、早く気づく |
| フレイル | 心身の予備能力が低下し、要介護へ移行しやすくなった状態 | 生活する力全体 | 身体だけでなく、栄養・心理・認知・社会参加まで見る |
この記事で注目するのは「移動する力」です。
筋肉だけではなく、骨や関節、神経などを含めて、「立つ・歩く」という能力がなぜ低下していくのかを考えます。
ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは?
ロコモティブシンドローム(locomotive syndrome)は、日本整形外科学会が提唱した概念です。
日本整形外科学会では、
運動器の障害によって、立ったり歩いたりするための身体能力(移動機能)が低下した状態
をロコモティブシンドロームとしています。
略して「ロコモ」と呼ばれます。
ここで重要なのが「運動器」という言葉です。
運動器とは、身体を動かすために必要な
- 骨
- 関節
- 筋肉
- 神経
などの総称です。
私たちは筋肉だけで歩いているわけではありません。
筋肉が力を出し、関節が動き、骨が身体を支え、神経がそれらをコントロールすることで、
「立つ」「歩く」「座る」「またぐ」といった動作が成立しています。
つまりロコモは、
身体を移動させるための仕組み全体がうまく働かなくなってきた状態
と考えると分かりやすいでしょう。
ロコモが進行すると、自立した生活を続けることが難しくなり、将来的に介護が必要になるリスクも高くなります。
出典:日本整形外科学会「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」
「歩ける・歩けない」だけで考えない
介護現場では、
「まだ一人で歩けているから大丈夫」
と考えてしまうことがあります。
しかし、ロコモの考え方では、完全に歩けなくなってから初めて問題になるわけではありません。
例えば、
以前より歩幅が狭くなった。
立ち上がるときに手を使うようになった。
階段を避けるようになった。
外出する距離が短くなった。
歩く速度が遅くなった。
ちょっとした段差を怖がるようになった。
こうした変化も「移動する力が低下してきている」というサインかもしれません。
日本整形外科学会では、
「階段の上り下り」「急ぎ足で歩く」「休まずに2~3km歩き続ける」「スポーツや踊り」
のいずれかが難しくなってきた場合を、ロコモに気づくためのサインとして紹介しています。
大切なのは、
「できるか、できないか」だけではなく「以前と比べてどう変わったか」を見ることです。
これは高齢者介護でも非常に重要な視点です。
ロコモはなぜ起こるのか
ロコモは、一つの病気だけによって起こるものではありません。
例えば、
● 筋力の低下
加齢や活動量の低下などによって筋力が落ちれば、立ち上がる、歩く、姿勢を保つといった動作が難しくなります。
● 関節の問題
変形性膝関節症や変形性股関節症などによって痛みや可動域の制限が生じれば、歩くことそのものが負担になります。
● 骨の問題
骨粗鬆症などによって骨が弱くなると、転倒による骨折の危険性が高まります。
脊椎圧迫骨折などをきっかけに、活動量が大きく低下することもあります。
● 神経の問題
脊柱管狭窄症などによって痛みやしびれが起こり、歩行が難しくなる場合もあります。
これらの問題は一つだけで起こるとは限りません。
例えば膝が痛いことで歩く機会が減り、活動量が減ることで筋力も低下し、さらに歩きにくくなる――というように、複数の要因が互いに影響し合うことがあります。
筋肉だけではなく、骨・関節・神経などのさまざまな問題が重なり、最終的に「移動する力」が低下していくのがロコモです。
ロコモとサルコペニアは何が違う?
ロコモと一緒に覚えておきたいのが「サルコペニア」です。
サルコペニアは、簡単にいえば筋肉量や筋力、身体機能の低下に注目した概念です。
一方、ロコモは筋肉だけではありません。
骨、関節、神経などを含めた運動器全体の問題によって、移動機能が低下した状態を指します。
| 項目 | ロコモ | サルコペニア |
|---|---|---|
| 主に見るもの | 運動器全体 | 筋肉・筋力・身体機能 |
| 関係するもの | 骨・関節・筋肉・神経など | 筋肉量、筋力など |
| 注目する変化 | 立つ・歩くなど移動機能の低下 | 筋力や身体機能の低下 |
| 介護で見える例 | 歩幅低下、歩行困難、階段が難しいなど | 握力低下、立ち上がりにくいなど |
つまり、
ロコモは「移動を支える運動器全体」という視点から見るもの。
サルコペニアは「筋肉」という視点から身体機能の低下を見るもの。
と考えると整理しやすくなります。
もちろん両者は別々に存在するとは限りません。
サルコペニアによって筋力が低下し、それが移動機能の低下につながれば、ロコモとも重なってきます。
関連記事:サルコペニアについて
では、フレイルとは何が違う?
さらに分かりにくいのが「フレイル」です。
フレイルは、加齢に伴って心身の活力や予備能力が低下し、要介護状態へ移行するリスクが高まった状態です。
一方で、適切な運動や栄養、社会参加などによって改善する可能性があることも、フレイルを理解するうえで大切なポイントです。
そしてフレイルは身体だけではありません。
身体的な問題だけでなく、心理・認知的な問題や社会的な問題も含めて考えます。
例えば、
外出しなくなる。
人と話さなくなる。
食事量が減る。
身体を動かさなくなる。
気力が低下する。
こうした複数の変化が重なり合うことがあります。
ロコモは、その中でも特に運動器と移動機能に焦点を当てた概念です。
整理すると、
ロコモ=運動器と移動機能を中心に見る
サルコペニア=筋肉を中心に見る
フレイル=身体・心理・社会を含めて全体を見る
というイメージです。
これらは完全に別々のものではなく、お互いに重なり合いながら高齢者の生活機能に影響します。
関連記事:フレイルについて
ロコモを調べる「ロコモ度テスト」
ロコモには、現在の移動機能を確認するための「ロコモ度テスト」があります。
主に、
- 立ち上がりテスト
- 2ステップテスト
- ロコモ25
の3つが用いられます。
①立ち上がりテスト
異なる高さの台から、片脚または両脚で立ち上がれるかを確認するテストです。
主に下肢筋力を評価します。
私たちが普段何気なく行っている「椅子から立つ」という動作にも、かなりの下肢筋力が必要です。
介護現場でも、
以前は手を使わずに立てていたのに、最近は肘掛けを押す。
一度では立ち上がれず、何度か身体を前後に揺らす。
介助者に手を引いてもらうことが増えた。
といった変化が見られることがあります。
正式なロコモ度テストとは別に、こうした日常生活上の変化そのものも重要な情報になります。
②2ステップテスト
できるだけ大きな歩幅で2歩進み、その距離を身長で割って評価します。
これは単純な歩幅だけではなく、下肢筋力、バランス能力、柔軟性などを含めた歩行能力を総合的に見るテストです。
歩幅が小さくなることは、高齢者の移動機能の変化を考えるうえで重要です。
③ロコモ25
身体の痛みや日常生活の困難さなどについて、25項目の質問に回答するものです。
運動能力だけでなく、
「生活の中で実際にどの程度困っているのか」
という部分まで確認できるのが特徴です。
ロコモ度は1~3の3段階
「立ち上がりテスト」「2ステップテスト」「ロコモ25」の結果からロコモ度を判定し、
複数の段階に該当する場合は、最も移動機能の低下が進んだ段階がその人のロコモ度となります。
ロコモ度は1~3の3段階に分けられています。
● ロコモ度1|移動機能の低下が始まっている状態
移動機能の低下が始まっている段階です。
まだ日常生活に大きな支障を感じていなくても、運動習慣や食生活などを見直し、移動機能を維持していくことが大切になります。
● ロコモ度2|移動機能の低下が進行している状態
移動機能の低下が進行している段階です。
日本整形外科学会では、自立した生活ができなくなるリスクが高くなっている状態として、整形外科専門医の受診を勧めています。
● ロコモ度3|移動機能の低下が進み、社会参加に支障をきたしている状態
移動機能の低下がさらに進み、社会参加に支障をきたしている段階です。
日本整形外科学会では、ロコモ度3についても整形外科専門医による診療を勧めています。
ここで注目したいのは、ロコモが単に「歩けるか、歩けないか」だけで判断されているわけではないことです。
特にロコモ度3では「社会参加に支障をきたしている」というところまで含めて考えられています。
移動する力が低下すれば、買い物に行けない、散歩に出られない、人に会いに行けないなど、生活できる範囲そのものが狭くなることがあります。
つまり、ロコモで考える「移動する力」は、単なる身体能力ではなく、
その人が自分らしい生活を続けるための力にもつながっているのです。
認知症高齢者では「テストできない=分からない」ではない
ここは、認知症介護では特に大切です。
高齢者や認知症のある方に実施する場合には、転倒や疼痛などにも十分注意する必要があります。
また認知症がある場合、指示の理解が難しかったり「できるだけ大股で」といった条件を正確に理解できなかったりすることもあります。
しかし、
テストができないから、移動機能を評価できないわけではありません。
むしろ介護職や家族には、日常生活だからこそ分かる情報があります。
例えば、
| 生活場面 | 見ておきたい変化 |
|---|---|
| 起床 | ベッドから起きるのに時間がかかる |
| 立ち上がり | 手を使う、介助を求めることが増えた |
| 歩行 | 歩幅が狭い、速度が遅い、ふらつく |
| トイレ | 間に合わなくなった |
| 入浴 | 浴槽をまたぐことが難しくなった |
| 着替え | 立位を保ちにくくなった |
| 外出 | 長い距離を歩きたがらなくなった |
| 階段・段差 | 避ける、怖がるようになった |
こうした変化を、
「認知症だから」
「年だから」
「面倒くさがっているだけ」
と片づけないことが重要です。
その人の身体では、移動機能の低下が少しずつ始まっているのかもしれません。
ロコモと転倒は深く関係している
ロコモを介護の視点から考えるうえで避けて通れないのが「転倒」です。
筋力が落ちる。
バランス能力が低下する。
関節が痛む。
歩幅が小さくなる。
足が上がりにくくなる。
こうした変化が重なれば、当然転倒する危険性も高まります。
しかし、ここでもう一つ考えなければならないことがあります。
それは、
転倒を防ぐための支援が、移動機能を低下させてしまう可能性がある
ということです。
「転ばせないために歩かせない」が生む悪循環
高齢者が一度転倒すると、介護現場では安全対策が強化されます。
もちろん、転倒原因を分析し、環境を整え、必要な見守りや介助を行うことは大切です。
しかし、
「危ないから一人では歩かせない」
「転ぶと困るから車椅子にする」
「なるべく座っていてもらう」
という方向だけに進んでしまうと、別の問題が生まれます。
動かない。
↓
筋力やバランス能力が低下する。
↓
立つ・歩くことがさらに難しくなる。
↓
転倒リスクがさらに高くなる。
↓
もっと動かさなくなる。
この循環です。
転倒を防ぐことだけを考えれば「動かないこと」は確かに安全に見えるかもしれません。
しかし長期的に考えると、それによって本人が持っていた能力まで失われてしまう可能性があります。
だからこそ介護では、
「転倒させない」だけではなく「どうすれば安全に動き続けられるか」
を考える必要があります。
日常生活そのものがロコモ対策になる
ロコモ対策というと、
「運動をさせなければ」
「筋トレをしなければ」
と考えがちです。
もちろん適切な運動は重要です。
日本整形外科学会でも、片脚立ちやスクワットなどを「ロコトレ」として紹介しています。
しかし、高齢者介護、とりわけ認知症介護では、運動だけを切り離して考える必要はありません。
例えば、
自分で椅子から立つ。
トイレまで歩く。
食堂まで歩く。
洗面台まで移動する。
立って着替える。
洗濯物を運ぶ。
テーブルを拭く。
散歩する。
こうした生活動作も、身体を使う大切な機会です。
本人ができる動作まで職員が代わってしまえば、生活は楽になります。
しかし同時に、身体を使う機会も減ります。
介護では、
「やってあげること」だけが支援ではありません。
その人が今持っている力を、生活の中で使い続けられる環境を作ることも重要な支援です。
「できることを奪わない」という介護
認知症が進行すると、どうしても介助する場面は増えていきます。
だからこそ、
「どこまで介助するか」
を考える必要があります。
全部やってあげれば早い。
職員にとっても安全。
本人も失敗しない。
しかし、それを毎日繰り返した結果、本来できていた動作まで失われてしまうことがあります。
例えば立ち上がりでも、
本人が立ち上がる前から職員が腕を引っ張ってしまうのか。
本人が自分で身体を前に倒し、足に力を入れるまで待つのか。
この小さな違いが、毎日何度も積み重なります。
トイレに1日5回行く人なら、1年間では約1800回。
そこに食事、入浴、着替え、移動なども加わります。
生活の中には、身体を使う機会が無数にあります。
だからロコモを考えることは、
特別な運動を何回行ったかだけではなく、本人が日常生活の中でどれだけ自分の身体を使えているかを見ること
でもあるのです。
「今できること」を知っておく
そしてもう一つ大切なのが、本人の現在の能力を把握しておくことです。
立ち上がれる。
10m歩ける。
階段を上れる。
浴槽をまたげる。
一定時間立っていられる。
こうした情報を「できる・できない」だけではなく、できる範囲や方法まで知っておくと、その後の変化に気づきやすくなります。
これは他の高齢者と比較するためではありません。
「同年代ならこれくらいできるべき」
「平均より低いからもっと頑張らなければ」
と評価するためでもありません。
大切なのは、
その人自身の過去と現在を比べることです。
3か月前より立ち上がりに時間がかかる。
以前より歩幅が狭くなった。
外出後の疲労が強くなった。
こうした小さな変化を捉えることが、ロコモの進行や体調変化に気づくきっかけになります。
ロコモは「歩くこと」だけの問題ではない
歩く力が低下すると、影響するのは移動だけではありません。
歩くことが難しくなる。
↓
外出が減る。
↓
活動量が減る。
↓
筋力がさらに低下する。
↓
人との交流も減る。
↓
生活範囲が狭くなる。
このように、身体機能の低下が生活そのものを縮小させてしまうことがあります。
認知症高齢者の場合には、活動量や社会参加の減少が生活リズムや意欲にも影響する可能性があります。
だからこそロコモは、
「足腰が弱くなる病気」程度に考えるのではなく、その人がこれまでの生活を続けられるかどうかに関わる問題
として考える必要があります。
まとめ|「歩けなくなってから」ではなく、小さな変化に気づく
ロコモティブシンドロームは、運動器の障害によって「立つ」「歩く」といった移動機能が低下した状態です。
その背景には、筋力低下だけではなく、骨、関節、神経などさまざまな問題があります。
そしてロコモは、ある日突然「歩けなくなる」ことで始まるわけではありません。
歩幅が少し狭くなった。
立ち上がるときに手を使うようになった。
外出を嫌がるようになった。
段差を怖がるようになった。
そんな小さな変化から始まっていることがあります。
介護で大切なのは、
「転ばないように動かさない」ことではなく「安全に動き続けられる方法を考えること」。
そして、
できなくなったことだけを見るのではなく、今できていることを知り、その力をできるだけ生活の中で使い続けられるようにすることです。
サルコペニア、ロコモ、フレイル。
言葉はそれぞれ違いますが、介護の現場から見れば共通する大切な視点があります。
それは、
「その人の身体と生活に起きている小さな変化を見逃さないこと」です。
歩くことは、単なる移動手段ではありません。
自分でトイレへ行く。
好きな場所へ行く。
外の空気を吸う。
誰かに会いに行く。
自分の意思で、自分の身体を使って生活する。
「歩く力」を守ることは、その人の生活そのものを守ることにつながっているのです。
参考文献・出典
- 日本整形外科学会「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」
— ロコモの定義、介護リスクなど - 日本整形外科学会「ロコモサイン」
— 階段、急ぎ足、2~3km歩行、スポーツ・踊りについて - 日本整形外科学会公式「ロコモ度判定方法」
— 立ち上がりテスト、2ステップテスト、ロコモ25、ロコモ度1~3 - 日本老年医学会「フレイル」
— フレイルの定義と可逆性について
ここにんでは、認知症介護を”楽にする”ためのヒントとなるような考え方、技術をたくさん発信しています。
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