入居条件:絶対に満たしていなければいけない要件
グループホームの入居条件については
- 絶対に満たしていなければいけない要件
- 必須ではないが、多くの施設で求められている
- 入居に際して障害となる可能性がある条件
- その他、入居を考えた時に確認しておいた方がいい事項
という4つの記事に分けてお伝えをしていきます。
グループホームは、誰でも利用できるわけではありません。
最初となるこの記事では、利用を希望する前に『必ず満たしておく必要がある3つの条件』について、分かりやすくお伝えします。
また、その要件を満たしていなかった場合はどうすればいいのか、ということについてもお伝えをしようと思いますが、第1回目となる今回の『絶対に満たしていなければいけない要件』については、どうにもならない場合も多くありますので、その点はご了承いただきたいと思います。
要支援2、または要介護1以上であること
グループホームは介護保険を使っての利用となります。ですので、要介護状態にある事が必要となってきます。
要介護度を表す区分は8段階に分かれており、軽い方から
- 自立
- 要支援1~要支援2
- 要介護1~要介護5
となっています。
このうち、グループホームを利用できるのは『要支援2、および、要介護1~要介護5』の方です。
要支援1と自立の方は、利用することができません(申し込みは可能です)。
また入居した後であっても、介護保険の更新の際に要支援1か自立という判定がついてしまうと退去になってしまいますので注意が必要です。
ですが、介護度の認定に不服がある場合は『審査請求』か『区分変更』という2つの方法でのやり直しが可能です。
ただ、認知症は進行性の病気であり、現時点では治療法はありませんので、入居以降に要支援1以下になるということはまずないと思います。
ですが『要介護5で入居したが、入居して最初の介護度の更新で要介護1になった』という事例は私も何度か経験したことがありますし、非常にまれですが、要支援1で退居になったケースも実際にありますので、油断は禁物かもしれません。
医師による認知症の診断があること
1つめの、どうにもならない項目です。
まず、認知症の診断が出せるのは医者のみです。
さらに認知症という診断を出すためには『認知症『的』な症状がある』というだけでは無理な場合が多いと思います。
認知症という診断を下すには『脳の器質的な変化がある』ということも必要になってきます。
つまり『脳が委縮している』『脳梗塞などの影響で脳の一部が機能していない』といった『脳の形状に変化があり、それに起因して認知症の症状が出ている』という、誰の目にも明らかな判断材料が必要なのです。
本来であればそれに加えて『脳の器質的な変化に起因して現れた症状により、日常生活を送ることが困難』といった内容も認知症の定義としてありましたが、現在はあまり重要視されていないように思います。
つまり認知症であるということは『家族や周りの人が思うだけではダメ』ということです。
利用希望者の住民票が、施設が所在する市区町村と同一であること
2つめの、どうにもならない項目です。
別記事【認知症の方のためのグループホーム ~特徴と利用方法、選び方について~】で、グループホームは地域密着型のサービスである、ということを書きました。
他市区町村の地域密着型サービスは、基本的にはどう頑張っても使えません。これはグループホームだけではなく、地域密着型デイサービスや、地域密着型特養なども同様です。
住民票が同一市区町村にある必要があるのは、グループホームが地域密着型サービスに指定されており”地域の住民のための施設”として設定されているためです。
ただし、絶対に利用できないかといわれればそうでもなく
- 住民票の移動(引っ越し)
- 住所地特例(みなし住所)
という2つの方法でかいくぐることもできなくはありません。
ですが、グループホームに住所を移すことは原則不可ですので『入居を希望している施設がある市区町村に親族が住んでいて、その住所に一旦住民票を移す』といったことができなければ、地域密着型施設の利用はほぼ不可能でしょう。
またこのどちらも、基本的には行政は嫌がります。
この項目については、別記事【他市区町村の地域密着型施設を利用するには】でもう少し細かく説明したいと思います。
グループホームを利用する目的は
・認知症の進行を緩和させ、その人らしい生活を支援する
ことに集約されると思います。
そのために、いくつかの条件が付されています。
グループホームを利用するにあたって、どのような条件があるのか、なぜその条件があるのかといったことを知ってもらい、より有意義にグループホームを役立てていただきたいと思います。
今回ご紹介した3つの条件は、グループホームを利用するうえでの『スタートライン』といえます。
次回は『必須ではないが、多くの施設で求められている』という条件について、詳しくご紹介いたします。
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