グループホーム入居の条件 その③ ~感染症・家族間の意識、医療依存度の影響とは~

グループホームについて
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入居条件:入居に際して障害となる可能性がある条件

グループホームの入居条件については

  • 絶対に満たしていなければいけない要件
  • 必須ではないが、多くの施設で求められている
  • 入居に際して障害となる可能性がある条件
  • その他、入居を考えた時に確認しておいた方がいい事項

という4つの記事に分けてお伝えをしていきます。

3番目となるこの記事では、グループホームの利用を考えたときにいくつかある条件の中で『もしかしたら入居するにあたっての障害になるかもしれない要件』について説明いたします。

また、その要件を満たしていなかった場合はどうすればいいのか、ということについてもお伝えをしようと思いますので、参考にしていただければ幸いです。

感染症の有無と入居への影響

入居にあたって、診断書の提出を求められるグループホームもあるかと思います。

どのような感染症が該当するかというと『感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律』の中で定められた感染症の他、B型肝炎や梅毒、疥癬などです。

入居時に感染していた場合は、残念ながら入居を断られるでしょう。

ですが、グループホームへの入居を考える段階ならすでに他のサービス(デイサービスやショートステイ、老健など)を利用していることがほとんどであると思います。他のサービスを利用して問題なく生活が送れているのであれば、このような重篤な感染症にり患していることはほぼないと思います。

施設によっては、それ以外の感染症も『入居をお断りする感染症』に該当しているかもしれませんので、見学時や申し込み時などに確認しておきましょう。

また、過去に感染していて完治した(医者から治ったという診断を貰っている)ものの、治った後も反応が出てしまうことについては特に問題なく入居が進められると思いますが、施設に情報提供だけはしておいてください。

そうすることで、出血時の対応や入浴に関しての配慮などを取ってもらえることが多いと思います。

入居に対しての、家族間の意識の統一

家族間で入居に関しての意識の統一が図れているか、ということは、実はかなり重要です。

例えば

  • 娘は施設入居に反対していたが、息子が強引に話を進めて入居した結果、娘が外出に連れ出してそのまま帰ってこなかった
  • 兄が入居を押し進めたら、弟が取り返しに来た

という話を聞いたことがあります。


入居にあたって、家族間での意識の相違がないことが一番望ましいですが、その解消が図れない場合は『家族間で〇〇という状況がある』ということをあらかじめ伝えておきましょう。

また『兄からの電話は取り次がないでほしい』『弟の面会は断ってほしい』『キーパーソンや身元引受人以外からの面会は受けないでほしい』などについても施設は対応してくれると思いますので、取り次がないで欲しい方の名前と電話番号、関係性は最低限伝えてください。

可能であれば『どういった事情で対応しないで貰いたいのか』まで伝えていただけると、施設とより良い関係性が築いていけるかと思います。

ただし基本的には、個人情報保護もあるので、キーパーソンではない方にむやみに『入居しているかの有無』を伝えることはありません。また『本人の妹だけど面会したい』など伝えられても、最初の申し出では『ご家族様を通じてお話をいただきたい』などの対応を取られることが多いかと思います。

医療依存度が高い場合の入居制限

ほとんどのグループホームには、医療職が常駐していることはおろか、配置されていることもめったに無いのではないかと思います。

そして介護職は、医行為が行えません。

医行為とは『医師の医学的判断と技術がなければ人体に危害を及ぼす、または危害を及ぼすおそれのある行為』のことです。

つまり

  • 点滴の流量調整や針の抜き差し
  • インシュリン注射(自身で行えるのであれば問題ありません)
  • 指先を穿刺しての血糖測定
  • 摘便や浣腸(市販のイチジク浣腸は行えます)
  • 褥瘡(床ずれ)の処置
  • 酸素の流入の調整(外れたカニューレを戻す程度は行えます)
  • バルーンカテーテルの管を入れなおす(内容物の破棄は行えます)

などの一切が行えません。

これらの処置が継続的に必要だったり、あるいは認知症が進行したことで自身で行えなくなったといったことがあると『本人が安楽に生活していただける場は施設ではないのではないか』となり、入居を断られたり、退居を進められると思います。

ただし『医師の往診体制が整っており、対応の範囲内』『訪問看護ステーションが併設されており、何かあれば対応できる』という場合もあるかもしれませんので、確認してみると良いでしょう。

今回の三つの要件については、入居するにあたっての大きな壁になるものではないかもしれませんが『グループホームに入居して、快適に、安楽な生活を送る』というものを目指した時に障害となってしまうかもしれない内容です。

グループホームは『認知症ケア』に特化している分、実は縛りが多かったりします。

だからこそ、認知症の方とその家族にとって、少なくとも『認知症の方にとって』最良の施設であろうとしています。

施設見学時には『感染症の有無や医療依存度について、どの程度までなら対応してくれるのか』『身体的な障害について、どの程度まで受け入れてもらえるのか』といったことについて、事前に相談することをお勧めします。

入居するにあたって条件的には厳しい部分もあるかも知れませんが、是非これらの記事を参考にして、少しでも不安の払しょくや事前に手を打つお手伝いができれば幸いです。

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